デザイン工房ちにたの手づくり家具

森の恵み…手作りの椅子たち



木々

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木々 わが家がある脊振の山々には広大な人工林、つまり植樹された杉、ひのき、椚の山々が広がる。 しかし、今ではすっかり放置された手付かずの自然林も多い。 そこには様々な広葉樹が生い茂っている。
わが家の山も、そんな「手付かずの大自然」が残る、かつては管理されていた里山だ(笑)。 ナラ、椚、山桜、イタヤカエデ、ケヤキ、栗などの落葉広葉樹やカシ、椎、榊などの常緑広葉樹などが聳え、 低木にはイヌツゲ、エゴノキ、椿、柴その他もろもろの木々が茂っている。
いつでも山をちょっと散歩するだけで、ストーブの薪には困らない。 余談だが、山に移った10数年前には、せっせと薪割りに励み、冬のストーブに備えていたが、今では薪は拾うもの、と決めている。
また、里山では椎茸のほだぎとして、椚の伐採を定期的に行うが、そんな時にも大量の雑木が伐採される。
放置された雑木は自然に朽ち果てて、また山の養分になるんだが、一部を薪にするだけでは雑木に申し訳ない。と言うか、この雑木のデザインはどうしても残したい、と言う奴がたくさん存在する。
そこでわが家では、そんな雑木を使って、様々なクラフトを製作する。
今回紹介した椅子たちも、その一つだ。



家具を造る。

木々 材料となる木々は、伐採して3年から、ものによっては10年以上自然乾燥させる。
伐採の時期は、普通は木6竹8と言って、樹の場合、新暦7月以降または落葉し始めが酔いとされるが、また、満月では無く新月が酔いとされるが、わが家では意識的な伐採を除き、切った時が切り時。




木々 若干の解説。完全に落葉するよりも落葉が始まった時期が酔いのは、まだ葉を付けた状態の方が、葉からの蒸散作用が働き、乾燥が早くなるため。 また、満月の場合は樹液を吸い上げており、これも乾燥を遅らせるので新月となる。 さて、あらかた材料を集めると、姑くは材料との宴会だ。 じっと材料を眺めながらひたすら呑む。 すると、次第に木々が語りかけてきて、おのずとデザインが決まる。


木々 これは10年以上乾燥させた楠。広葉樹も、ここまで来れば、暴れることは少ない。 この後、この子はテーブルの天板になるので、ひたすらカンナとの格闘、削りまくる。 ちなみに密閉した部屋で削りまくると…楠の場合、鼻血が出ます。 なんせ樟脳なんで。


木々 材料の樹に若干の虫食いがある場合も出てくる。 そんな時は、松葉に樟脳とニームを吸わせて穴に突っ込んで塞いでしまう。 枝を磨いてから、樟脳とニームで全体を拭き、クルミオイルをたっぷりと吸わせる。


木々 板物はエイジング処理をしたり、ささら仕上げをしたり、あるいはちょうな仕上げをしたり、と様々。もちろん丸のみは大活躍です。写真中央がカンナのみ、下がエイジング加工でバターミルクペイント仕上げ。上はささら仕上げにクルミ油フィニッシュです。


木々 角者は荒く真を採ります。この時はチェーンソーが大活躍です。


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先ほどの楠の天板を削りまくり、脚を固定してクルミ油をたっぷりとご馳走します。

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テーブルの完成。 うーん、家具づくりって、森歩きって、やっぱり止められませんね。