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自然の一員になる、持続できる暮らしのための森と身近な庭の再生、そのための皮剥き間伐や身近な庭の土中環境整備を。脊振の森のデザイン工房ちにた

自然の一員になる、持続できる暮らしのための
森と身近な庭の再生、そのための皮剥き間伐や
身近な庭の土中環境整備を。

脊振の森のデザイン工房ちにた

セミの幼虫

皮剥き間伐と
目の前の庭の再生メモ

25年前はカチカチだった庭も、セミが羽化する庭になりました。

移植ゴテひとつから始める環境改善

身近な自然と対話しよう

まずは風や空気の流れを感じてみましょう。そのための簡単なスタートが、軒先に松ぼっくりをぶら下げることです。

松ぼっくりの湿度計

閉じた松ぼっくり
 松ぼっくりは、晴れて乾燥すると開き、曇りや雨でしっけると閉じてしまいます。だから、松ぼっくりを、窓辺にぶら下げてみよう。きっと大地の呼吸や風の息吹を感じるようになります。
開いた松ぼっくり
お日さまで開いた松ぼっくり
開いた松ぼっくり
晴天続きで、さらに開きました。

雑草の名前を調べよう。

< 風を感じたら、次は地面に目を向けましょう。

オオバコ

 何気なく見ている庭や道べたの雑草。でも雑草という種類の草はなく、みんな名前を持っています。私たちだって「おい、そこの奴」とか呼ばれると嫌ですよね。雑草だってそうです。
 上の子は「オオバコ」。人の靴や車のタイヤに種が付着して生育範囲を広げているので、人や車の通りがあるところで多く見られます。また、酸性で乾燥した場所や荒地にも多いので、その大地は乾いているのが分かります。

露草

上の子はツユクサの仲間。比較的、中性に近い土地に生息し、土の呼吸が少なく水捌けの良くない場所でも見られます。ちょっと変わったところでは、環境中の放射能レベルを評価するのに用いられる種類があったりします。
こんな風に、名前や性格がわかると、その土地の状態を知る手がかりにもなります。ここは息が詰まってる大地だな、とか、空気と水が循環してないな、とか。
五感で自然を感じるためには、風や空気、植物がとても良い手助けになりますね。

大切な土の中の環境

風と大地を感じたら、大切な土の中を想像してください。

毎年起こる数十年に一度の土砂崩壊、河川氾濫災害。

 この言葉は、もう聞き飽きたのではないでしょうか。地球温暖化という怪しいビジネスモデルがありますが、地球温暖化が原因なのでしょうか。確かに都市部のアスファルト・コンクリートによる異常高温はありますが、山が崩れ、川が氾濫する主な原因は、土の中の環境が壊れて、水も浸透しない、空気も入らない=呼吸しない不健全な土になったことが主な原因です。
護岸工事
河岸の呼吸を止めるコンクリート護岸工事

土ってなに?

土壌
土壌イメージ
 土の定義にはいろいろあります。空間こそが土壌だという人もいるんです、ある意味、あたってますけどね。一般的には「自然物であること」と「植物が生育している、もしくは生育可能である」ことが土の定義です。  では、良い土とはどんな土なのでしょうか。雨がふると、水はゆっくりと土へと染みていきます。染みた水は水脈を作り、土を団粒構造に変えていきます。団粒構造の土壌はしっとりとしていて、水と空気を程よく含んでいます。そして無数の菌糸が張りめぐっています。

土の中のインターネット

菌糸って?

キノコ
菌糸体の子実体としてのキノコ
 生き物は、大きく分けて動物・菌類・植物に分けられます。菌類は、カビやキノコ(菌糸体)、酵母の総称です。菌糸体の繁殖期間であるキノコは胞子を出し、胞子は菌糸になり繋がって糸状菌となり、菌糸体を作ります。この菌糸体が落ち葉や樹木などを分解して、土壌を作ります。大昔、菌糸がいなかった頃の地上では倒れた樹木が分解されず、堆積して石炭になりました。
菌糸
一般的に菌糸の幅は1〜10μm(マイクロメートル)程度
倒木
腐生菌が倒木を分解
菌糸体の種類には腐生菌があり、分解酵素を出して、樹木や落ち葉の硬いセルロースを分解、消化しています。この菌が地上に出現したので、石炭はもうできなくなったのです。
椎茸
椎茸菌の子実体=椎茸
椎茸のように木々や落ち葉を分解して土を豊かにする腐生菌。しかしちょっと横着な菌も出現します。菌根菌です。菌根菌は分解して栄養を取るのではなく、植物や木々の根っこと共生します。松茸やトリュフなどです。

手軽に始めよう。

庭を呼吸する大地にしよう。

我が家の庭
風が通り抜ける庭
 私たちにできることは、まず目の前の庭を呼吸できる庭に変えることです。言い換えれば、庭に菌糸ネットワークをいかに作るかです。

降った雨を、庭に浸透させよう。庭に点穴を掘ろう。

宮沢賢治の絵
宮沢賢治が描いた大地の様子
 宮沢賢治の降水蒸散の図には、菌糸が作るネットワークにより降った雨が浸透し、呼吸する様子が描かれています。
 こんな風に、自分の庭に降った雨くらいは、下水に流さず、庭に浸透させましょう。
 庭の呼吸を手助けするために、庭にスコップやマイナスドライバーで小さな穴を開けて、炭と落ち葉を入れ、雨を浸透させましょう。炭は菌糸のマンションになり、落ち葉はご飯になります。炭にはやがて菌糸がのって、土の中のネットワークと繋がり、豊かな庭を育ててくれます。  炭は竹炭がベスト。竹炭には無数の孔があり、1gでその比表面積は700㎡あるといわれています。これは木炭の約3倍の数値です。
移植ゴテ
移植ゴテやマイナスドライバー
道具は移植ゴテ。地面が硬かったり、小さな穴掘りにはマイナスドライバーが便利です。マイナスドライバーは30cm以上の貫通ドライバーがお勧めです。腰に下げて持ち歩くのに、塩ビパイプで鞘を作りました。 figure>
穴の絵
小さくても有効な穴掘り
穴
ドライバーでグリグリ
穴
炭と落ち葉を入れる。
 穴を掘ったら、まず禁止のマンション=炭を入れます。次に、ご飯=落ち葉を詰めます。そして枝を何本も縦にさしてください。落ち葉が泥水の侵入を防ぎ、縦枝に沿って、浄化された雨水が浸透していきます。やがてそこを拠点として菌糸ネットワークが育ち、菌糸は地中に適度な空間を作り、植物の根っこを誘導し、土は団粒構造へと変化し、呼吸する庭が育ちます。
炭焼き
ペール缶での炭焼き
炭
出来上がった炭
 ペール缶を使って、簡単な炭焼き器を作ることもできます。興味がある方は、インスタメッセージなどでお問い合わせください。また、竹炭を作るのが難しい時は、ホームセンターなどで販売しているくん炭も便利です。
くんたん
ホームセンターのくん炭

皮剥き間伐を体験しよう。

環境への取り組み
森の環境改善
皮剥き間伐
皮剥き間伐
皮剥き間伐
皮剥き間伐
皮剥き間伐
皮剥きした檜

皮剥き間伐とは

木の断面
広葉樹と針葉樹の木の断面
広葉樹と針葉樹(ここでは杉・ヒノキ)では、水を吸い上げる管の様子、イラストではブルーの部分が違います。
広葉樹は、桜のようなバラバラに散らばっている散孔樹、金木犀のように模様になっている文様孔樹、クリやクヌギのように(イラスト)丸く並んでいる環孔樹など、水を吸い上げる配管が樹皮の内側にあります。
比べて針葉樹は、樹皮のすぐ下にあり、辺材を囲むようになっています。
木の断面
水道管を断水に
針葉樹の皮を剥くと、今まで水を吸い上げていた水道管(水導管)を崩してしまい、その結果、皮剥きされた木は枯れていきます。
その際、水分も抜けていくので、後々の伐採・搬出がとても楽になります。伐採後は陽が差し込む森になります。
これが、皮剥き間伐です。

皮剥き間伐、やりませんか?

工房の実習林
工房の広葉樹実習林
工房の実習林
工房の針葉樹実習林
私たちは、脊振に、様々なことを進めるキャンバスを持っています。
皮剥き間伐もそこで行います。
期間は毎年4月から8月までの、木が水を吸い上げるシーズンです。
1組、ひと家族からでも体験できます。体験費は保険・道具貸し出しなどひと家族¥3,000.ほど。
お子さんと一緒に、楽しく森で過ごしませんか。夏休みの自由研究にもいいかも、です。
お問い合わせはメールやインスタのメッセージで。お待ちしています。

おまけ

我が家の庭の変化

住み始めた頃
2000年、住み始めた頃の我が家
今の様子
2024年、樹々に飲み込まれた我が家(笑)
落ち着いてきた庭
改善から10年ほどの庭の様子



おまけ2

よくわかる土中環境(本)

住み始めた頃
高田 宏臣著 よくわかる土中環境
住み始めた頃
内容の一部

もうずいぶん前、もと水田だった土地を、森に変えようと手探りで始めた土壌変換。やがて穴を掘り枯れ枝や落ち葉や炭を詰め、気が付いた土の中の微生物たち。
この本は、土中環境や微生物の働きを理論的に教えてくれます。ぜひご一読されることをお勧めします。




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