藁束を焼きます。灰にはせず、黒い炭の状態で、水につけます。そっと漬け、形を残します。ぐっと押し込んで砕くと、後の濾過に時間がかかります。漬け時間は最低4時間。一晩浸けておくと安心だそうです。
ザルに目の細かな布を敷き、焼いた藁と、漬け込んだ水を注いで濾過します。濾過した水をさらに上から注ぎ、これを6-10回繰り返します。乾いた藁を使うと、灰汁が綺麗な透明になるそうです。
藁で小さな三角の輪を作り、できた灰汁につけ、引き揚げて輪に幕ができると完成です。
この時点で、灰汁のpHは11.2でした。出来た灰汁は1年間は保存できます。少しヌルヌルしていて、舐めると、甘みを感じます。
収穫したコンニャク芋です。右上の芋が3年物で、これを使います。
中位の芋は2年物、左下は生子と呼ばれる種芋で、2年物と一緒に、春に畑に植え付けます。
生芋をほんの少しかじってみました。それはそれは、強いエグミで、舌の上に何発も爆弾が落ちたような感じです。灰汁でうがいしても効果なし。結局、舌を風と日光に当てること小一時間。少しは感覚が戻りました。
生のコンニャク芋を使います。11月でしたから、掘り立ての芋が手に入りますが、皮を剥いて冷凍保存もできるそうです。使用する芋は3年物。
皮を剥いたコンニャク芋と灰汁をミキサーにかけて細かく砕きます。
ミキサーで砕いたコンニャク芋と灰汁を鍋に移し、中火で煮ていきます。
焦げないように、たえずかき混ぜます。
加熱してしばらくすると、灰汁が浮くので、丁寧に取り除きます。
竹の子を湯がく感覚に似ています。
次第に粘りが出て固まってきます。
これが完成の目安の粘度。中の温度は70度程度でした。そのまま食べてみましたが、唇に少しエグミが残る程度です。
バットの底を水で濡らしてコンニャク芋がこびりつかないようにします。
バットに完成した物を流し込みます。この時、空気が入らないように表面をペタペタしてあげます。このまま2時間ほど室温において、冷まします。当日は室温17.5度、湿度75%でした。
流し込んだコンニャクが冷めました。
これを、食べやすい塊に切り分けます。この時点での試食では、食べた後、灰汁が少しだけ感じられました。
鍋にたっぷりの水を入れ、その中に切り分けたコンニャクを入れます。その後、火を付けて煮ながら灰汁を抜きます。この時点で少し食べてみましたが、ほんの少しだけ灰汁を感じますが、気になるほどではありません。
どんどん煮ていくと、コンニャクが膨らんできます。
ここまで膨らみました。沸騰してから約1時間です。
茹であげたコンニャクを流水にとり、荒熱をとるとともに冷まして行きます。
荒熱が取れた刺身コンニャクをザルにあげ、水気を切ります。落ちてくる水分(抜けた水分)は、刺身コンニャクの5%未満。このまま一晩ほど置いておき、味を馴染ませます。もちろん、出来立ても美味。
生芋と藁のあくから作る、脊振伝統の刺身コンニャクの完成です。